東京高等裁判所 昭和28年(う)1100号 判決
また所論の事項(註 黙否権その他被告人の権利保護のための告知)は刑事訴訟手続中重要な訴訟手続であることは所論のとおりであるが、右刑事訴訟規則第四十四条第二項によると、同条第一項に列挙した以外の事項については裁判官が訴訟関係人の請求により、又は職権で記載を命じた事項については、これを公判調書に記載しなければならないが、然らざる事項については公判調書に記載することを要しないのであり、裁判官が職権で記載を命ずる事項は全く裁判官の自由裁量によるものであつて、所論の事項が重要な訴訟手続であるからといつて必ず裁判官が職権で記載を命じなければならないものではない。故に原審裁判官が所論の事項について公判調書に記載を命じなかつたから違法であるとするのは正当でない。論旨はいずれも理由がない。